「ANZ企業景況感指数」マイナー指標だけどビックリするくらい丁寧に解説!!

ANZ企業景況感指数とは、企業に今後12ヶ月間の景気見通しについてのアンケートを実施し、結果を指数化した指標です。

ANZ銀行が毎月公表しており、ビジネス活動の景況感を示す指標の中では、最も歴史のある指標となっております。

また、1,500〜2,000程の企業を調査対象としており(実際の回答数は約300〜400)、 業界や業種に偏りがでないようにサンプリングされているため、ニュージーランド全体の景況感を示す指標とされております。

1. サンプル(調査対象)の選出方法

ANZ企業景況感指数は、サンプリング対象を無作為に抽出している訳ではありません。

調査対象企業の規模やセクター、地域に偏りがでないようにするため、ANZ銀行があらかじめ調査対象候補を絞り、調査に参加してもらうよう対象企業に呼びかけを行います。

サンプリング対象として選出された企業には、回答義務はなく、アンケート内の全質問は任意回答形式であるため、強制力は全くありません。

このように、調査対象をあらかじめ選出し、任意回答形式の調査「opt-in survey」では、調査対象候補企業をANZが選出するため、偏向が生じたり、確固たる意見を持った企業ほど回答する傾向にあるため、結果が極端になる可能性も否めません。

しかし、実際にANZ企業景況感指数の結果はニュージーランド経済に先行した動きを見せているため、重要な先行指標としての役割を果たしていると言えるでしょう。


2. 実際に行われるアンケート調査の質問内容と指標の算出式

ANZ企業景況感指数では、企業の先行きに対する見通しやインフレ率に対する予想など、将来に関する様々な質問が含まれます。

実際の質問例

・今後12ヶ月間の事業活動状況はどうなると思いますか?

・今後12ヶ月間の雇用状況、投資活動、企業の利益はどうなると思いますか?

12ヶ月後のインフレ率(年率)はどうなると予想しますか?

参考元: ANZ BUSINESS OUTLOOK – BACKGROUND PAPER – ANZ RESEARCH

そして、質問の回答方法は全て、「①向上する(improved)又は増加する(increased)」、「②悪化する(deteriorated)又はdecreased(減少する)」、「③変化なし(remain the same)」の三者択一で回答してもらい、回答結果を指数化して算出しています。

実際の算出式は以下の通りです。

算出式

i→「向上する」と回答した数
d→「悪化する」と回答した数
rts→「変化しない」と回答した数

要するに、全回答に対して「① 向上する」の回答数から「② 悪化する」の回答数を差し引いた割合を求めており、「① 向上する」の回答数が「② 悪化する」の回答数より多ければ、算出結果はプラスになります。

そのため、ANZ企業景況感指数の結果がプラスになっているということは、先行き12ヶ月間の景気見通しに関して、楽観的な見方をしている回答者の方が多いということを示しているのです。


3. ANZ企業景況感指数の歴史-公表開始から現在に至るまで。

ANZBO(ANZ企業景況感指数)のコンセプトは、当時の国立銀行チーフエコノミストDon Abelによって形成され、その調査結果は、「The National Bank Economic Review(国立銀行経済レビュー)」の中の「Business Survey(事業調査)」というタイトルで公表されました。

1983年に公表されたその調査結果が、ANZ企業景況感指数の始まりとされています。

その後、1984年4月には、「Business Outlook(企業景況感)」という名称で刊行され、「The National Bank Economic Review(国立銀行経済レビュー)」とは分けて公表されるようになりました。

そして、2012年10月に、スイス国立銀行に代わってANZ銀行が、企業景況感指数を公表するようになり、それ以降「ANZ企業景況感指数」という名称で親しまれています。


4. ANZ企業景況感指数の推移

以下のグラフは、2018年6月以降のANZ企業景況感指数の推移です。1月は指標結果が公表されていないため、2019年1月と2020年1月の結果は以下図に含まれておりません。

参考元: NZ・ANZ企業信頼感- みんかぶ

1970年から2020年までの平均が、+3.34であることを考慮すると、2018年以降は比較的低水準で推移していると言えます。

また、2019年9月以降3ヶ月連続で増加しておりましたが、感染症拡大の影響を受け、2020年3月&4月と大幅に続落。特に4月は-66.6を記録し、1988年4月以来の最低水準となりました。

その後、投資活動と事業活動などの将来見通しが大幅に改善されたことを背景に、5月、6月、7月と、3ヶ月連続で前月より増加しました。


5. まとめ

ANZ企業景況感指数
公表機関 ANZ銀行
タイミング 毎月(1月は除く)
指標概要 約1,500〜2,000社程の企業に
今後12ヶ月間の事業活動や利益、
設備投資、雇用などについて質問
し、回答結果を指数化した指標。
結果が0以上であれば、将来の
見通しについて楽観的な人の
割合の方が多いことを示している。
質問内容概要 今後の事業活動、設備投資、
インフレ率、企業利益、雇用
などの先行きに関する内容が
アンケート形式で質問される
算出式

n = (i – d) / (i + d + rts) *100


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