これだけ知っていれば十分!独DAX指数について徹底解説!!


ドイツを代表する株価指数「DAX指数」「DAX」は、ドイツ語表記の「Deutsche Aktien Index」の略字で「DAX指数」という名称で親しまれています。


DAX指数は、 フランクフルト証券取引所(FWB)のプライム市場 に上場している銘柄の内、時価総額&流動性が特に高い 30社で構成される株価指数です。


リスくん
ちなみに、フランクフルト証券取引所は、世界第10位の取引高をもつ取引所です。また、フランク証券取引所には、「プライム市場」と呼ばれる市場区分があり、タイムリーな情報開示や英語での情報開示、年1回のアナリストミーティング開催など、優良なグローバル企業としての適正が認められた銘柄のみが取引される市場があります。

赤ちゃん
DAX指数は、そのプライム市場の中からさらに選りすぐりの30社を厳選しているから、ドイツの超優良企業で構成された株価指数と言えるね!

このように、プライム市場の中でも特に流動性が高く、時価総額が大きい銘柄を対象としているため、DAX指数の構成銘柄として選出されるには、なかなかハードルが高いものとなっています。


後程紹介しますが、その他にも構成銘柄になるための条件が複数あり、DAX指数は銘柄の選出が厳格な株価指数と言われています。


その厳格さのおかげで、IG証券によると、指標開始日(1987年7月1日)から2017年10月時点で、 30銘柄中17銘柄 が健在であったみたいですので、その耐久性には驚きです。

DAX指数の価格は世界の他の指数に比べて変動幅が大きいかもしれませんが、DAXの構成企業は驚異的な弾力性を備えています。当初の30銘柄のうち17銘柄は2017年10月の時点で今なお健在です。ただし、コンチネンタル社は一度除外された後再組み入れされ、Veba社とViag社は合併してE.ON社となっています。

IG証券


今回は、ドイツを代表する株価指数であり、ワイヤーカードの一件で世界からも注目を集めた「DAX指数」について、根こそぎ解説していきます。


▪️この記事から知れること
・DAX指数について
・クセトラ指数について
・構成銘柄やその特徴
・改革後のDAX指数について
・DAX指数の過去チャートや動向

・DAX指数とは?

DAX指数とは、フランクフルト証券取引所のプライム市場に上場している銘柄の内、最も流動性が高く、時価総額大きい30銘柄で構成される株価指数です。1987年12月30日の基準価額を1000として算出されます。


DAX指数に含まれる全銘柄の時価総額は、プライム市場全体の72%に相当します。


算出方法は、浮動株の時価総額加重平均を採用しているため、時価総額が大きい銘柄程、指数全体に与える影響も大きくなっています。

赤ちゃん
時価総額加重平均浮動株ってどういう意味??
リスくん
まず、時価総額加重平均というのは、S&P500指数PSI20株価指数のように、構成銘柄の全時価総額を、基準年の時価総額と比較して計算する方法です。従って、時価総額が大きくなればなるほど、株価指数の値も大きくなります。また、浮動株いうのは、株式市場で流通している株式の内、常に売買される可能性の高い株式のことを指します。
赤ちゃん
なるほど。じゃあ、「浮動株の時価総額加重平均」というのは、市場で常に売買されているような流動性の高い株式の時価総額を算出して、基準年の時価総額と比較することによって計算する方法ということだね!

また、DAX指数は、株式の配当金も算出式に組み込んで計算されるといった特徴があります。


従って、DAX指数は、 配当金を含めた構成銘柄のパフォーマンスを反映した株価指数であると言えます。

尚、国を代表するような株価指数で、配当金も考慮して算出される株価指数は、世界的に見ても珍しいとされています。


・クセトラ指数ってなに?

「DAX指数」は、「クセトラDAX指数」と呼ばれることもありますが、この「クセトラ」とは何を示しているのでしょうか?


答えは、ドイツ取引所の子会社(STOXX)が管理している取引システムのことを指します。*ドイツ取引所は、フランクフルト証券取引所を運営する取引所です。


DAX指数は、その取引システムを使用して算出される株価指数であるため「クセトラDAX指数」と呼ばれているのです。


DAX指数以外で、クセトラ取引システムを使って算出されるドイツの株価指数として、「MDAX」や「SDAX」などが挙げられます。


MDAXとSDAXとは?MDAX: DAXに次ぐ60銘柄で構成
SDAX: MDAXに次ぐ70銘柄で構成

また、野村證券の「証券用語解説集」の「クセトラ」の解説によると、クセトラ取引システムは、上海証券取引所でも導入されているそうです。


フランクフルトに取引所の拠点があるが、そのシステムは電子取引のプラットフォームとして上海証券取引所などにも導入されている。

野村證券


・構成銘柄の特徴

DAX指数の構成銘柄の主な特徴として、以下2点が挙げられます。

①構成銘柄の多様性を重要視する

DAX指数の構成銘柄は、少数の銘柄が指数全体に大きな影響を与えすぎないよう調整されています。


実際、構成銘柄の組み入れ比率には上限があり、どの銘柄も一社のみでDAX指数の10%を超える組み入れ比率を有することはできません。


このようにして、如何なる銘柄もDAX指数を支配できないような設計になっているのです。


②構成銘柄の選定条件が明確

DAX指数は、ラッセル2000指数同様、構成銘柄を選定するにあたって、明確且つ透明性の高い選定条件を設けています。


実際の選定条件については、次の項で説明しますが、DAX指数は、全ての市場参加者に銘柄選定の方法について理解してもらえるよう、透明性の高いルールを設けているのです。


・厳格!!構成銘柄になるための条件

そもそもですが、DAX指数の構成銘柄の選考対象になるためには、フランクフルト証券取引所のプライム市場に上場している必要があります。


従って、

(ⅰ)プライム市場に上場するための条件()DAX指数の構成銘柄選定条件

の両方を満たしてはじめて、DAX指数の構成銘柄となれる訳です。


それでは、それぞれの条件について詳しく見ていきましょう。


(ⅰ)プライム市場に上場するための条件

おさらいですが、フランクフルト証券取引所のプライム市場とは、優良なグローバル企業の銘柄が売買される市場です。


そのプライム市場に上場できる銘柄の主な条件は、下記の通りです。

プライム市場上場への6つの条件
①四半期開示
②IAS、或いは米GAAP会計基準を採用
③年次報告書の提出
④年1回以上のAnalyst meeting開催
⑤タイムリーな情報開示
⑥英語での情報開示

このように、フランクフルト証券取引所の「プライム市場」は、グローバル企業向けの市場であることが見て取れます。


そして、上記6つの条件を満たして初めて、プライム市場で取引される銘柄となり得るのです。


プライム市場へ上場するための条件を確認したところで、次はDAX指数選定銘柄になるための条件も見ていきましょう。


(Ⅱ)DAX指数の構成銘柄選定条件

DAX指数の構成銘柄へ選定されるための条件は、下記の通りです。

DAX指数に選出されるための条件
⑦ドイツでもビジネスを行っている
⑧上位30位に入る程の時価総額を有する

「⑧上位30位に入る程の時価総額を有する」は、浮動株のみで時価総額を算出し、プライム市場で取引されている銘柄の中で時価総額トップ30以内にランクインする必要があります。


そのため、⑧の条件を満たすには、時価総額が大きいだけではなく、流動性(市場でその銘柄が売買される頻度)も高い必要があります。


以上が、プライム市場に上場するための条件と、DAX構成銘柄となるためのその他の条件です。


このように、DAX構成銘柄に選定されるためには、上記①〜⑧の全てを満たしている必要があります。


従って、DAX指数の構成銘柄の選定条件は、厳格であると言える訳です。

・構成銘柄トップ5を紹介!

DAX指数は、各銘柄が指数の10%を超える組み入れ比率にならないよう設計されているため、1つの銘柄が指数全体をコントロールする程の大きな影響を及ぼすことはありません。


しかし、時価総額加重平均を採用している以上、時価総額の大きい銘柄程、DAX指数全体に与える影響が大きくなってしまうのも事実です。


そこで、DAX指数への寄与度が特に高い(=浮動株の時価総額が特に大きい)トップ5銘柄を紹介しますので、DAX指数の行く末を占う上で、参考にしていただければと思います。*企業名の末尾に「SE(=Societas Europaea)」とつく企業は、ヨーロッパ連合法に基づく会社であることを示しています。


1位: リンテグループ(LINDE PLC)
指数に占めるウエイト:10.7%

イギリスのギルフォードに本社を置く持ち株会社。元々米国に本社を置いていた産業ガス世界3位のプラクスエアと、ドイツに本社を置いていた産業ガス世界2位のLinde AGの経営統合により設立。


現在のリンテグループは、世界100ヶ国以上でビジネスを展開するグローバル企業で、産業用ガスの分野では世界最大手。


2位SAP SE
指数に占めるウエイト:10.5%

ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社。同社は、クラウドサービスの提供や、アプリケーションソフトウェア、ネットワーク事業など、IT関連事業を幅広く手がけている。


ソフトウェアの売上高では、米マイクロソフト、オラクル、IBMに次ぐ世界第4位。


3位: シーメンス(SIEMENS)
指数に占めるウエイト:8.6%

電化やデジタル化、自動化などの技術に優位性をもつドイツの企業。特に、電車や補聴器の分野で市場を占有している。


世界初の電車を製造し、1881年に営業運転を開始。現在も鉄道分野で大きくシェアを占めており、中国中車、アルストム(ボンバルディアを買収)に次ぐ、「ビッグスリー」の一角を担っている。


尚、世界の鉄道車両では、2割強のシェアをもつ。


4位: アリアンツ(ALLIANZ SE)
指数に占めるウエイト:7.4%

世界有数の金融グループ会社。保険業務や資産運用業務、各種銀行業務を世界70ヶ国以上で行っている。


日本でも、2008年以降、アリアンツ生命保険株式会社が保険業務を行っている。


5位: BAYER AG NA O.N.
指数に占めるウエイト:5.4%

ドイツに本社を置く、化学工業及び製薬会社。同社の世界的に有名な製品として解熱鎮痛剤である「アスピリン」が挙げられる。


また、農薬などの農業製品も製造している。


・セクター別構成比率

DAX指数を代表する5銘柄と、その5銘柄それぞれが占める指数へのウエイトを紹介したところで、次は産業別の構成比率を紹介していきます。


産業別の構成比率は、以下図の通りです。



最も割合が高いのは「その他」の26.72%で、次いで「化学」が16.02%となっております。


構成銘柄の中で最も大きい時価総額を有するリンテグループが、「化学」分野の全体に占める割合を押し上げていると考えられます。


そして、第3位が「保険」の10.81%、第4位が「ソフトウェア」の10.5%となっております。


また、「その他」の割合が最も高く25%以上あるため、比較的セクターごとの分散はされていると言えそうです。


実際、3つのセクターだけで50%を優に超えるラッセル2000指数などと比べると、比較的セクターは分散されています。

・DAX指数が改革!?その内容と理由とは?

DAX指数は、2020年11月23日までに構成銘柄の選定に関する新しいルールを公表すると発表しました。


その背景には、ワイヤーカードの不正会計問題があります。


DAX指数が、厳格な銘柄選定条件を設けているのにも関わらずこのような事件が起きたため、世界中の市場関係者に衝撃を与えました。


尚、ワイヤーカードは、2018年に同指数の構成銘柄として採用された決済サービスを提供する企業です。


しかし、2020年6月に不正会計が発覚し、同社は破産申請をする結末となりましたが、DAX指数のルール上、除外規定には抵触しなかったため、不正発覚後の2ヶ月間もの間、同指数に残ることとなりました。


これを機に、DAX指数の銘柄除外規定の不備が露呈したため、今回のような新ルール作成に踏み切ることになったのです。


現在公開されている新ルールとして、

・構成銘柄数は現行の30から40へ

・四半期報告書を期限から30日過ぎても開示できなければ、構成銘柄から除外

などが挙げられます。また、2020年10月6日の日経新聞によると、上記以外にも以下のような新ルールが適用されるそうです。

DAX指数への新規採用では、直近2期分のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が黒字であることを条件とする。対人地雷や生物化学兵器など武器取引等に関わる企業は対象外とする規定もつくる。

日本経済新聞


新ルールが適用され、構成銘柄数が現行の30銘柄から40銘柄へ増えた場合、セクター別の構成比率の更なる分散化が期待できます。


また、1銘柄が指数全体に与える影響度も相対的に低減するため、指数全体としての分散化効果も期待できそうです。


・DAX指数 VS CAC40 過去5年間の推移

以下の図は、「DAX指数」と、同じヨーロッパ圏内のフランスを代表する指標「CAC40株価指数」の過去5年間の推移を比較したグラフです。


橙色がDAX指数青色がCAC40指数を示しています。

Bloomberg

こうして見ると、2016年から2020年はじめまでは、両者とも似たような値動きをしていたことが分かります。


しかし、2020年の感染症拡大以降、両者の値動きに乖離が見られ、ドイツのDAX指数の方が、CAC40より一時大きな回復を見せました。


尚、現在は、パンデミック拡大の第二波による経済活動縮小懸念などを背景に、両者とも再び下落し始めています。


・まとめ

いかがでしたでしょうか?DAX株価指数は、ドイツを代表する株価指数であれど、日本ではそこまで知名度の高くない株価指数かと思います。


しかし、DAX指数の構成銘柄であるワイヤーカードの粉飾決算問題を受け、日本でも大体的に取り上げられたため、ニュースを見て初めてDAX指数を知った方も多いのではないでしょうか?


2020年11月末頃には、新ルールが公表されるため、今後、DAX指数がどのような株価指数となっていくのか、注目していきたいところです。


新ルールの適用に併せて、本記事も修正する予定ですので、また見に来ていただければと思います!


  • Quick Facts
概要 フランクフルト証券取引所の
プライム市場に上場している銘柄
の内、時価総額&流動性が特に高い
30銘柄で構成される株価指数
公表開始日 1987年7月1日
基準日 1987年12月30日の
基準価額を1000
構成銘柄数 30銘柄
算出方法 浮動株時価総額加重平均
通貨 EUR,USD

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