世界で最も注目される指標!米国雇用統計について分かりやすく解説!!


POINT

・失業率、非農業部門雇用者数や
業種別就業者数などが公表される

・毎月第1or第2金曜日に公表

・市場への影響力が最も大きい
指標の1つ

・失業率と非農業部門雇用者数
が特に注目される

・予想との乖離やADP、
新規失業保険申請件数などの
結果と併せて分析される


リスくん
この記事から学べる内容は以下の通りです。

▪️この記事から知れること

・米国雇用統計についての詳細

・注目ポイント

・読み解き方

・最近結果へのアクセス手順

・失業率推移

・米雇用統計とは?

米雇用統計とは、 失業率、平均賃金、非農業部門雇用者数や業種別就業者数など、米国国内における雇用状況についてまとめた指標です。


毎月第1or第2金曜日に40ページ程のPDFで結果が公表されます。

このように、米雇用統計では米国内の雇用に関する様々な情報がレポート形式で公表されますが、その中でも特に注目度が高いのは、「失業率」と「非農業部門雇用者数」です。



失業率

失業率とは、全労働人口(16歳以上の働く能力&意思のある者)に占める失業者*の割合を指します。

米雇用統計における失業者*とは、「過去4週間以内に求職活動を行ったが、雇用統計の調査期間中に一度も働けていない者」 と定義されています。



非農業部門雇用者数

農業従事者と自営業者を除く、民間企業や政府関係機関に雇用されている労働者の数 を指します。非農業部門雇用者数は、給与支払帳簿(従業員に払った給与が記載された台帳)を基に算出されます。


また、雇用統計に先立って、ADP雇用統計ISM製造業景気指数新規失業保険申請件数などが公表されるため、これらの指標結果と米雇用統計の結果の方向性が異なれば、市場からはサプライズとして受け止められます。


もっと詳しく!

雇用統計では、CPS(家計調査)とCES(事業所調査)の2種類の調査が行われており、それぞれの調査結果がレポート内で公表されます。


CPS(家計調査)は、労働力、雇用者数や失業者数などの調査を行います。米労働省労働統計局(BLS)によって選定された60,000世帯が調査対象です。


CES(事業所調査)は、セクター別雇用者数、労働時間、非農業部門の給与水準などの調査を行います。毎月、145,000の事業所と政府機関を調査対象とし、非農業部門に属する給与所得者の3分の1以上が含まれています。


・なぜ、非農業部門雇用者数と失業率が注目されるのか?

米国雇用統計では、労働参加率や業種別雇用者数など幅広い情報が公表されますが、その中でも特に注目を集めるのが、非農業部門雇用者数と失業率です。


ではなぜ、非農業部門雇用者数と失業率が特に注目されるのでしょうか?その主な答えは以下の通りです。


  • 米国経済を支える個人消費
1つめの主な理由は、 米国GDPに占める個人消費の割合が70%と非常に高いからです。


そのGDPへの寄与度が最も高い個人消費は、国民の給与水準や雇用状況によって大きく影響を受けます。失業している状況や雇用状況に不安を抱いている状況下で、めちゃくちゃ消費するなんてことは考えにくいですよね。


このように、アメリカの経済成長の基盤となる個人消費は米国民の雇用状況に左右されるため、米国民全体に占める割合の高い非農業部門の失業者数や失業率が重要視されるのです。


  • 政策金利は雇用統計の影響を大きく受ける
2つめの主な理由は、 FRBがFOMCで金融政策の方針を決定する際に、失業率や非農業部門雇用者数が重要視されるからです。

例えば、失業率や非農業部門雇用者数が悪化している場合、FRBは景気回復を図るため、金融緩和を実施する可能性や政策金利の利下げを実施する公算が高まります。


反対に、経済が良好で、失業率や非農業部門雇用者数も好調である場合、FRBは景気のいきすぎを防ぐため、金融引き締めを実施する可能性や政策金利の利上げを実施する公算が高まります。


このように、FRBが金融政策の方針を決定する上で特に失業率や非農業部門雇用者数の結果を参考にするため、失業率や非農業部門雇用者数は雇用統計の中でも一際重要視されるのです。


・雇用統計関連Q&A

ここでは、実際に米雇用統計のレポートに書かれている雇用統計に関するQ&Aをご紹介します。


①雇用統計にはなぜ、CPSとCESの2つの指標があるのか?
CPS(家計調査)もCES(事業所調査)も収集したサンプルを基に調査結果を算出している点では同じですが、 両者には一長一短があるため、2つの指標に分けられています。

60,000世帯を調査対象としているCPS(家計調査)と比べて、CES(事業所調査)は145,000もの事業所を調査対象としているため、CES(事業所調査)の方がより現状に近い結果がでやすいとされています。


そのため、調査規模の面では、CES(事業所調査)の方が優れていると言えそうです。


しかし、CPS(家計調査)は、調査対象に自営業者や個人事業主も含んでいるため、CES(事業所調査)より調査対象者の幅が広いといった長所があります。


このように、CPS(家計調査)とCES(事業所調査)は調査対象者や規模が異なり、米国における雇用状況をより如実に表すため、2つの指標に分けられています。


②不法滞在している移民は、米国雇用統計の調査対象に含まれるのか?
調査用のアンケートに、在留許可の有無を確認する質問がないため、 不法滞在している移民も調査対象に含まれている可能性があります。


③「失業者」は、失業保険を受けている人のみカウントされるのか?

失業者数は、CPS(家計調査)の結果から推定されており、そのCPS(家計調査)のアンケート内に、 失業保険受給の有無に関する項目はありません。


従って、失業保険受給の有無に関わらず、「米雇用統計とは?」の項目で説明した 「失業者」の定義に当てはまる人全員が、「失業者」としてカウントされます。


④「失業者」の中に就業意欲はあるが、現在は仕事探しをしていない人は含まれるのか?
含まれません。ただし、「どのみち就ける職がないから」という理由で仕事探しを諦めている人は、「失業者」ではなく、「就業意欲喪失者(discouraged workers)」の項目に含まれます。

・雇用統計の読み解き方!

ほとんどの指標に言えることですが、米国雇用統計も事前予想が公表されるため、結果が予想とどれだけ乖離しているか、が鍵となります。


そのため、どれほど結果が良くても事前予想との乖離がそれほどなければ、相場が大きく動く可能性は低いですが、乖離が大きければ大きいほど、為替市場や株式市場は大きく動く傾向にあります。


また、米国雇用統計の2営業日前に公表されるADP雇用統計の結果とも比較され、乖離が大きければ、相場も大きく動く傾向にあります。


上記に加え、新規失業保険申請件数の結果も併せてチェックすることが重要です。


新規失業保険申請件数が減少しつつあり雇用統計の結果も好調であれば、市場が結果を好感し、株高・米ドル高に振れる可能性が高くなります。


・米雇用統計レポートへのアクセス手順

米労働省労働統計局が公表する最新の雇用統計レポート「THE EMPLOYMENT SITUATION」へのアクセス手順を紹介します。


アクセス手順


米労働省へのホームページへアクセス

②画面を下にスクロール

③ 「The PDF version of the news 
〜」を押下


③の手順まで進めると、40ページ程のPDFにアクセスできます。非農業部門雇用者数や失業率に関する情報は、PDF1ページ目の最初の段落に記載があります。


・米国  VS 日本 失業率推移

以下のグラフは、1980年〜2020年10月までの米国と日本の失業率推移を比較したグラフです。


こうして見ると、長期間に渡って米国の失業率が日本の失業率を上回っていることが見て取れます。

出典: 世界経済のネタ帳


米国の失業率が比較的高い理由の1つに、雇用主と従業員は、「Employment At Will」の関係にあることが挙げられます。


「Employment At Will」とは、「任意に基づく雇用」という意味で、雇用主と従業員は双方とも、任意で解雇/退職ができるという原則です。


このように、日本よりも従業員が解雇されやすい環境にあるため、米国の失業率は高くなりやすいと考えられます。


・まとめ

「米雇用統計」についてのまとめは、以下の通りです。

KEY WORDS

  • 失業率と非農業部門雇用者数
    が特に注目される
  • 毎月第1or第2金曜日に公表
  • CPS(家計調査)とCES(事業所調査)
    の2種類の調査が行われる
  • 予想との乖離やADP、
    新規失業保険申請件数などの
    結果と併せて分析される

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