中古住宅販売成約指数とは、売買契約は完了し、引渡しが済んでいない中古一戸建て住宅、分譲アパートやマンションなどの物件数を全米不動産業協会(NAR)が集計し、毎月公表する指標。
前月比、前年同月比の変動率に加えて、2001年時点を100として指数化された結果も公表されます。また、米国全土の結果だけでなく、米国4地域(北東部、中西部、南部、西部)の結果も公表されます。

中古住宅販売成約指数は、「中古住宅販売保留指数」とも言われているよ。色んな記事を見ていても、両方同じくらいの頻度で呼ばれているイメージだから、両方覚えておいた方が良いかも!
注意
類似した指標として、中古住宅販売件数があり、こちらは引渡し済みの物件数を指標化したものとなります。そのため、中古住宅販売成約指数とは異なりますので、注意が必要です。
類似した指標として、中古住宅販売件数があり、こちらは引渡し済みの物件数を指標化したものとなります。そのため、中古住宅販売成約指数とは異なりますので、注意が必要です。
比較!中古住宅販売件数との違いは?
中古住宅販売成約指数 | 中古住宅販売件数 | |
概要 | 引渡し前の 中古物件数 を調査し、 公表する指標 |
引渡し後の 中古物件数 を調査し、 公表する指標 |
カウントタイミング |
中古住宅の |
中古住宅の |
公表日 | 毎月下旬 | 毎月中旬 |

中古住宅販売成約指数と中古住宅販売件数では、中古住宅の販売件数を集計している点では同じだけど、売買契約が完了した時点で集計するのか、売買契約が完了した物件が顧客に引き渡された時点で集計するのかに違いがあるんだね。
一般的に、住宅の売買契約が完了してから物件の引渡し期間まで1〜2ヶ月ほどかかります。そのため、中古物件の引渡し後の件数をカウントする中古住宅販売件数と比べて、中古住宅販売成約指数では、約1〜2ヶ月ほど早くカウントされることになります。
どんな特徴がある指標なの??

中古住宅販売成約指数の特性や特徴についてのポイント(要約)は、以下の通り!
中古住宅販売成約指数の特性
・中古住宅販売件数の先行指標
・景気動向に連動する
・景気動向に連動する
上述した通り、中古住宅販売成約指数は、売買契約が完了した時点での中古住宅販売件数を集計しているため、必然的に、中古住宅販売件数の先行指数となります。
また、「新築住宅販売件数」の解説記事でも触れましたが、住宅需要は景気動向に連動します。そのため、経済環境が良好な状態にある時は、住宅需要も高まる傾向にあるため、住宅需要は景気動向に連動するのです。
2017年〜2020年の推移

以下のグラフは、全米不動産協会(NRA)が公表しているデータを基に著者が作成したグラフです。

- 2017年〜2019年の年度ごとの比較 2017年度は、108.9(2001年=100)の水準で推移しました。2018年度は、105.1と3ポイント以上低下しましたが、2019年度には、105.8まで回復しました。尚、2019年度中は、1度も、2017年度の水準である108.9ポイントを超えませんでした。
- 2019年1月以降の推移
2019年3月
過去3ヶ月で2度目の上昇。回復の兆し。背景には、持続的な賃金の伸びや、手頃な物件の増加が挙げられる。
- 2019年6月~9月
3ヶ月ぶりの大幅上昇。雇用の堅調な伸びに支えられた。翌月の7月には下落したが、8月、9月で持ち直し上昇。
- 2019年12月
市場予想に反して大幅な低下。住宅ローン金利が歴史的な低水準で推移しているのにも関わらず、在庫不足による住宅価格の高騰により、買い控えが目立った。
- 2020年1月
好スタート。直近9年余りで最大の上昇。2年余りで2番目に高い結果となった。背景には、良好な経済環境と、低い住宅ローン金利が挙げられる。しかし、在庫は依然不足ぎみ。
☆ まとめ
中古住宅販売成約指数 | |
指標概要 | 売買契約は完了し、引渡しが 済んでいない中古一戸建て住宅、 分譲アパートやマンションなどの 物件数を全米不動産業協会(NAR) が集計し、毎月公表する指標。 |
公表日 | 毎月下旬 |
調査機関 | 全米不動産協会(NRA) |
特徴① | 中古住宅販売件数の先行指標 |
特徴② | 景気動向に連動する |