「日経平均株価」、この記事をこれから読もうとしている方であれば間違いなく、一度は耳にしたことがあるはずです。
ニュースを見ていてもよく、「本日の日経平均株価は〜」とアナウンサーが口にしていますよね。
しかし、「日経平均株価について説明してください。」と言われて、説明できる方はどれほどいるでしょうか?
何となく聞いたことはあるけど、実際に説明するとなると、、、という方が多いのではないかと思います。
この記事では、そのような方向けに、「日経平均株価」について徹底的に解説していきます。この記事を読み終える頃には、日経平均株価についての理解が確実に深まるので、ご安心くださいください。
目次
そもそもどれだけ理解できてるか?日経平均株価についての5つのクイズ
日経平均株価にまつわる意外と分からない人が多そうで、知っておいた方がよさそうな内容のクイズを5つ用意しました。
回答も載せていますが、答えについての詳細は本文中にも記載があります。
No.1 日経平均株価の公表主体は?
日経平均株価は、公的機関ではなく、民間企業によって算出、及び公表が行われております。その民間企業はどこかお分かりでしょうか?
正解は、、、
日本経済新聞社
日経平均株価は、日本経済新聞によって、銘柄選定から株価指数の算出&公表が行われております。
No.2 日経平均株価の構成銘柄数はいくつ?
日経平均株価は、日本経済新聞社が東証1部に上場する企業の中から、業種などのバランスを考えて銘柄を選定し算出しておりますが、そもそも、日経平均株価にはどのくらいの株式数が含まれているかご存知でしょうか?
日経平均株価は、その構成銘柄数を冠した呼び方で「日経○○○」と言われることがあります。
正解は、、、
225銘柄
日経平均株価指数は、東証1部に上場する225銘柄で構成されております。そのため、「日経225」と呼ばれることもあります。
No.3 これまでの歴史の中で、日経平均株価の史上最高値はいくつ?
日経平均株価は、バブル絶頂期であった1989年12月29日に、史上最高値を更新しました。2020年10月現在で、23,000円台で推移していることを考えると、想像もつかない値だと思います。
正解は、、、
終値38,915円87銭
年末に高値をつけた日経平均株価ですが、翌年の1990年1月には相場が崩れ始め、1月だけで1,700円以上も暴落しました。その後、雇用状況や地価が悪化し始め、バブル崩壊へとつながっていきます。
No.4 日経平均株価に含まれている銘柄の内、時価総額トップ3は?
時価総額No.1は、分かる方も多いと思いますが、トップ3全て言えますか?尚、日本企業の時価総額トップ3がそのまま、日経平均株価選定銘柄の時価総額トップ3となります。
正解は、、、
1位:トヨタ、2位:SBG、3位:NTTドコモ
ちなみにですが、SBGとは、ソフトバンクグループのことを指します。
No.5. 日経平均株価を構成する銘柄の内、銘柄数が最も多い業種は?
2020年10月14日現在、この最も多い業種は、225銘柄中27銘柄もあり、2位の化学(17銘柄)を大きく引き離しています。日本と言えば、これ!と思うような業種が1位です。
正解は、、、
電気機器
日経平均株価を構成する銘柄の内、「電気機器」に分類される代表的な企業として、ソニー、ファナック、京セラ、日立、富士通などが挙げられます。
いかがでしょうか?5問中何問正解しましたか?多かれ少なかれ、このクイズで日経平均株価についての豆知識がついたころで、ここからは本格的に解説に入っていきます。日経平均株価について本格的に知りたい方はぜひ、一読ください。
日経平均株価とは?
日経平均株価(日経225)とは、東証1部に上場している企業の内、日本経済新聞社が選定した225銘柄で構成されている株価指数です。
構成銘柄は、日本経済新聞社が1年に1度「定期見直し」を実施し、銘柄の入れ替えを実施します。その他でも、上場廃止などの要因によって、構成銘柄から外さざるを得ない場合、「臨時入れ替え」を実施し、構成銘柄を入れ替えることもあります。
構成銘柄の変更履歴は、日本経済新聞社が以下サイトにて公表しておりますので、気になる方はこちらからご確認ください。


公表主体 | 日本経済新聞社 |
構成銘柄数 | 225銘柄 |
史上最高値 | 38,915円 |
昔の呼び方 | 日経ダウ平均株価 1975年〜1985年まで、 米国ダウ・ジョーンズ社の 許可を得て、日経ダウ平均株価と 呼ばれていました。 |
銘柄入替え頻度 | 定期見直しは1年に1度 |
算出方式 | 株価平均型(ダウ式) |
算出方法
日経平均株価の算出方法は、ダウ式と呼ばれているだけあり、ダウ平均株価の算出方法と似たような方法で算出されます。*ダウ平均株価の算出方法については、以下記事の「指数算出方法」参考。
しかし、単純に構成銘柄の株価を足し合わせた合計額を、除数で割って算出するダウ平均株価とは少し異なり、日経平均株価は、「みなし額面」と言われる要素が算出式には組み込まれています。
実際、日本経済新聞社が公表している「日経平均株価算出要領」によると、日経平均株価の算出方法は下記の通りです。
みなし額面とは、全銘柄の1株あたりの水準を同等にするために算出された「みなし」の株価のことを指します。
日本には、単元株制度があり、最低購入株式数が100株の銘柄もあれば、1,000株の銘柄もあります。そういった事情を考慮せず、実際に取引されている株価をそのまま計算式に組み込むのは好ましくない、として採用された方法が「みなし額面」です。上の計算式を見ると、分子に「50円」、分母に「みなし額面」がきているため、みなし額面が50円の銘柄は現在の株価がそのまま計算式に反映されることになります。
尚、日経平均株価を構成するほとんどの銘柄は、みなし額面が50円となっているため、株価がそのまま計算式に反映されています。
除数とは、簡単に言うと「割る数」という意味です。当初は単純平均の考え方に基づき、「225」が除数でした。
しかし、株式分割や銘柄入れ替え等が行われると、単純に構成銘柄数である「225」で割るだけでは、指数の一貫性や連続性が損なわれてしまいます。そこで、日経平均株価は、指数の連続性及び一貫性を保つため、割る数である「除数」を調整しているのです。
尚、現在(2020/07/29)の除数は、27.859となっております。日々の除数の値については、日本経済新聞の朝刊「クローズアップ日経平均株価」に掲載されております。

日経平均株価とTOPIXは何が違うの!?
日経平均株価と同じくらいよく耳にする「TOPIX」ですが、日経平均株価とは何が違うのでしょうか?
端的に言うと、TOPIXは「東証1部に上場している全銘柄の時価総額を基に計算された株価指数」であるのに対し、日経平均株価は「東証1部に上場している銘柄の内、日本経済新聞社によって選定された225銘柄の株価を基に計算された株価指数」といった違いがあります。
従って、東証1部上場銘柄の全体を対象とする(TOPIX)のか、特定の銘柄のみ対象とする(日経平均株価)のかや、その計算方法に大きな違いがあります。

TOPIX | 日経平均株価 | |
公表機関 | 東京証券取引所 | 日本経済新聞社 |
公表開始年 | 1969年7月1日 | 1950年9月7日 |
対象 | 東証1部全上場銘柄 | 東証1部225銘柄 |
算出方法 | 時価総額加重平均 | 株価平均 |
特徴 | 時価総額が大きい 銘柄の影響を 受けやすい |
株価が高い 銘柄の影響を 受けやすい |
日経平均株価の推移
以下は、1990年10月1日から2020年10月1日までの日経平均株価推移を示すグラフです。日経平均株価は1990年以降、日本が「失われた20年」と言われ、経済成長停滞期に入っていたこともあり、低下基調で推移しておりました。
しかし、2012年に第二次安倍内閣が発足して依頼、株価は上昇基調になり、2018年に1991年以来となる最高値を更新しました。
ただ、1989年と比較して株価が10倍になった米国とは異なり、日本では、1989年に記録した史上最高値(38,915円)を未だ越えられずにいるのが現状です。
