意外と知らない人が多い!?経常収支について徹底解説!!

1.経常収支とは?

経常収支とは、一言で表すと「国外との資金やりとりにおける国の収支を示す指標」です。


財やサービスの輸出、投資収益などによって海外から受け取った収入から、財やサービスの輸入、海外へ支払う投資収益などといった海外へ支払った支出を差し引いて算出されます。


具体的に、経常収支を構成する項目は、下記4項目です。


  • 貿易収支
    財(モノ)の輸出から輸入を差し引いて算出
  • サービス収支
    他国への旅客輸送などの「輸送費」、訪日外国人が国内で使ったお金から日本国民が海外で使ったお金を差し引いた「海外旅行収支」、知的財産使用料などの支出入である「その他サービス収支」といった、国外とのサービス取引の収支
  • 第一次所得収支
    海外との投資収益。海外との配当金や利子のやりとりなど。
  • 第二次所得収支
    海外への資金援助や海外で働く日本人から日本への送金といった、対価を伴わない海外との資金のやりとり

リスくん
元々、第一次所得収支は「所得収支」、第二次所得収支は「経常移転収支」と呼ばれていましたが、2014年からそれぞれ名前が変更されました。

また、経常収支は上記4項目を足し合わせて算出されます。

経常収支 = 貿易収支 + サービス収支 + 第一次所得収支 + 第二次所得収支


KEY WORDS

・経常収支とは、国外との資金やりとりにおける国の収支を示す指標

・経常収支 = 貿易収支 + サービス収支 + 第一次所得収支 + 第二次所得収支

・日本の経常収支における収益の大半を第一次所得収支が占める

・国別経常収支ランキング(2019年)は、1位:ドイツ、2位:日本、3位:中国


2.日本の経常収支推移

商工総合研究所がまとめた資料によると、2000年〜2020年までにおける日本の経常収支推移は以下の通りです。


2000年以降、第一次所得収支の割合が年々大きくなり、2020年には、経常収支における収益の大半を第一次所得収支が占めていることが見て取れます。


このように、日本は、投資などから得られる第一次所得収支で大幅な黒字を計上しており、対外資産から得られる収益が、対外負債への支払いを大きく上回っています。


一方、第一次所得収支が増加しつづける反面、貿易収支の黒字幅が縮小し続けています。


これは、世界的な現地生産の増加や、エネルギー価格の上昇などによる輸入価格の増加により、輸出額と輸入額が拮抗し、貿易収支の黒字幅の縮小・赤字につながったと考えられます。


3.世界の経常収支ランキングトップ5

ここでは、2019年時点の各国の経常収支と、国別ランキングトップ5を掲載しております。(出典元: GLOBAL NOTE)


順位 国名 経常収支(単位:百万US$)
1位 ドイツ 274,505
2位 日本 184,540
3位 中国 141,335
4位 オランダ 90,206
5位 スイス 86,167

尚、経常収支国別ランキング最下位は、米国の-480,228(百万US$)となっております。貿易収支の大幅赤字が、全体への下方圧力となっているのが原因です。


「米国がなぜ貿易赤字なのか?」については、以下記事で説明しております。


4.貿易収支と経常収支は何が違うのか?

経常収支に関するよくある質問として「経常収支と貿易収支は何が違うのか?」が挙げられます。


ここまで読んででいただいた方は既にお分かりかと思いますが、その答えは、「貿易収支は国外との財の取引による収支であり、経常収支の算出式の中に含まれている」です。


実際、以下に示された経常収支の算出式を見てもらえれば一目瞭然ですが、「経常収支」の算出式の中に「貿易収支」が含まれています。

経常収支 = 貿易収支 + サービス収支 + 第一次所得収支 + 第二次所得収支


このように、「貿易収支」は国外との財の取引による収支を示しており、「経常収支」は、貿易収支を含む国外との金銭のやり取りによって生じた収支のことを示しています。

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