労働者の声を指数化した指標「街角景気」景気ウォッチャー調査について徹底解説!!

景気ウォッチャー調査は、「街角景気」とも言われ、名前の通り、景況感について調査した指標です。

*本指標については、1.景気ウォッチャー調査ってどんな調査?以降で詳しく説明しておりますので、早く知りたい方は、そこから読んでいただければOKです。

この指標が「街角景気」と言われている理由としては、現場の声を重視している点にあります

具体的には、タクシー運転手やコンビニ店員、レストランの従業員など、景気を肌で感じやすい業界で働いている労働者を調査対象としているため、現場で働いている労働者の声を反映した指標となっているのです。

今回は、そのような、経済指標としては珍しい特徴を持った「景気ウォッチャー調査」について徹底解説していきます。

景気ウォッチャー調査ってどんな調査?

赤ちゃん
ニュースで、「景気ウォッチャー調査の基調判断は、13ヶ月連続で、ネガティブさを含む表現となった。」と書いてあったけど、景気ウォッチャー調査ってどんな調査をするの??
ハリネズミ
景気ウォッチャー調査とは、簡単に言うと、内閣府が毎月コンビニやレストランなどの現場で働いている労働者2,000人に、現状と先行きの景気見通しについてのアンケートを実施し、指数化する指標だよ。現状の景況感を示す現状判断DIや先行きの景況感を示す先行き判断DIに加えて、現在の景気についての政府見解を示す、基調判断も発表されるんだ。

このように、景気ウォッチャー調査では、現状判断DI、先行き判断DI、基調判断の3点が公表されます。それぞれの内容については、下記にて説明していきます。


現状判断DI&先行き判断DIとは?

赤ちゃんとハリネズミの会話にもありましたが、景気ウォッチャー調査では、百貨店やスーパー、タクシー、コンビニなど、景気動向に敏感な業界で働く2000人に、 現状や先行きの景況感(景気をどう感じているか)についてインタビューを実施し、その結果を指数化(数字にすること)して、景気が良くなっていると感じている人の方が多いのか、悪くなっていると感じている人が多いのかを調査しています。

そして、現状の景況感について指数化したもの現状判断DI、2〜3ヶ月先の先行きの景況感について指数化したものを先行き判断DIと言います。後ほど、計算方法について説明しますが、現状判断DIと先行き判断DIは共に「50」が、「景気が良くなっている」と感じている人と「景気が悪くなっている」と感じている人が大体半々であることを示しています。

赤ちゃん
なるほど。現在の景気について、現場で働く労働者がどう思っているのか数値化したのが現状判断DIで、2〜3ヶ月の景気の先行きを、現場の労働者がどうなると思っているのか数値化したのが先行き判断DIってことか。どちらも、50が分岐点とされているんだね!
ハリネズミ
うん。そういうことだよ。現状判断DIと先行き判断DIについて理解できたとろで、次は実際のインタビュー内容や、算出方法について見ていこう!


インタビュー内容&算出方法について

現状判断DIと先行き判断DIを作成する際に行われるインタビューの概要としては、景況感(景気に関してどう感じているか)について①良くなっている ②やや良くなっている ③変わらない ④やや悪くなっている ⑤悪くなっているの5つの選択肢から回答者に選択してもらいます。

インタビュー項目は、現状の景況感と先行きの景況感について複数ありますので、詳細については、内閣府が公開している以下の資料をご参照下さい。(内閣府)景気ウォッチャー調査 調査票

赤ちゃん
インタビューの内容や回答方法については分かったけど、どうやってこれを指数化(数値化)しているの??
ハリネズミ
上で説明した①〜⑤の回答に各々点数を与え、それぞれの構成比に乗じて算出しているんだ。


具体的な配点や計算例については、下記の通りです。各回答に以下の点数を与え、それぞれの構成比で掛け合わせて算出されます。

回答 良い やや良い 変化なし やや悪い 悪い
点数 +1 +0.75 +0.5 0.25 0
計算例

「良い」と答えた人が3.0%、「やや良い」と答えた人が20.0%、「変化なし」と答えた人が51.0%、「やや悪い」と答えた人が23.0%、「悪い」と答えた人が3.0%の場合、

3.0×1+20.0×0.75+51.0×0.5+23.0×0.25+3.0×0=49.25

ハリネズミ
以上が、現状判断DIと先行き判断DIのインタビュー内容及び、算出方法だよ。現状判断DIと先行き判断DIについて理解できたところで、次は、内閣府が公表する基調判断について見ていくよ!

景気ウォッチャーの見方(基調判断)とは?

景気ウォッチャー調査で、現状判断DIと先行き判断DIと併せて公表される景気ウォッチャーの見方(基調判断)とは、現状と先行きの景気状況についての政府見解のことを指します。

例えば、令和2年5月13日に公表された4月の景気ウォッチャー調査の基調判断では、政府は、以下のような見解を示しました。

「新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい状況にある中で、さらに悪化している。先行きについては、厳しさが増すとみている。」

引用元: (内閣府)景気ウォッチャー調査 令和2年4月結果

赤ちゃん
現状判断DIや先行き判断DIと併せて、現状や先行きに関する政府の見解も公表されるんだね!


DIを構成する3つの要素

景気ウォッチャー調査の現状判断DIと先行き判断DIはそれぞれ、家系動向関連、企業動向関連、雇用関連の3つの分野から構成されています。

現状判断DIと先行き判断DIにおいて、上記3分野の分野ごとの結果も公表されます。尚、飲食業、小売業やサービス業は家系動向関連に、B to Bの形態をとる製造業者などは企業動向関連に分類されます。

また、景気ウォッチャー調査全体の結果に占めるそれぞれの割合は、家系動向関連が約7割、企業動向関連が約2割、雇用関連が約1割となっており、家計動向関連が占める割合が高いため、消費関連の統計としての色合いが強い指標となっています。

赤ちゃん
現状判断DIと先行き判断DIは、3つの分野で構成されているんだね。分野別の結果も公表されるけど、全体で見ると、家系動向関連の割合が高いから、景気ウォッチャー調査は、消費関連の色合いが強い指標だと言われているのか。


景気ウォッチャー調査2つの特徴

ハリネズミ
景気ウォッチャー調査には、主に以下の2つの特徴があるよ。それぞれの特徴について、これから説明していくね!
景気ウォッチャー調査の2つの特徴

  • 速報性が非常に高い
  • 現場の声がコメント形式で読める


特徴① 速報性が非常に高い

景気ウォッチャー調査は、毎月下旬に調査が行われ、その結果が翌月の上旬に発表されます。調査開始から公表がわずか数週間で行われるため、速報性が非常に高い指標とされています。

また、速報性が高いため、調査結果は景気の山谷に先行する傾向があります。実際、その速報性を利用した景気ウォッチャー投資法と呼ばれる投資法が存在するほどです。


特徴② 現場の声がコメント形式で読める

景気ウォッチャー調査のもう1つの特徴は、回答者が、その回答に至った理由をコメント形式で公表されていることです。

・来店客数は、チラシを入れない状態で前年比 95%で推移している。新型コロナウイルス 感染拡大防止対策として、まとめ買いが増えており、客単価は 100 円上がっている。ま た、買上点数も 1.2 個分上がり前年比 102%で推移している。競合店もあるが、平均 110% で推移している(スーパー)。

・旅館や飲食店の需要が激減している(食料品製造業)。

・緊急事態宣言等により、企業活動を縮小せざるを得ない状況が続いており、今後の見通しも不明である(職業安定所)。

引用元: 内閣府)景気ウォッチャー調査 令和2年4月調査結果

このように、現場の声をここまでリアルに届けている指標は、他にはありません。そのため、景気ウォッチャー調査の結果は、私達が肌で感じている景況感に近くなりやすいとされています。

ハリネズミ
家計動向関連や企業動向関連など、分野別ごとのコメントも公表されているよ!


☆まとめ

ハリネズミ
景気ウォッチャー調査について、以下にまとめておいたから見てね!
景気ウォッチャー調査
調査機関 内閣府
公表日 毎月下旬
指標概要 現場で働く労働者にアンケート
を実施し、回答を指数化した指標
50が景況感拡大・縮小の分岐点
調査対象 タクシー運転手やコンビニ店員
など、景気動向に敏感な業界で
働いている労働者2,000人
DI算出方法 回答結果に点数を与え、それぞれ
の構成比を乗じて算出
指標の特徴 ①速報性が高い
②現場の声がコメント形式で読める


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUT US

  • 当ブログでは、世界中の経済指標についての詳細な情報を発信しております。他のサイトでは見られないような有益な情報を提供できるよう、1つ1つの情報を精査し、丁寧な記事作成を心がけています。