製造業の景況感を示す指標。米国・製造業新規受注ってどんな指標!?

製造業新規受注とは、米商務省センサス局(The United States Census Bureau)が、製造業における新規受注額を集計し、毎月公表する指標です。

年間出荷額が5億ドル以上の製造業者からの報告を基に、データが集計されています。

また、新規受注は、製造業の景況感を示す指標であるため、市場関係者からの注目度は比較的高めです。特に、航空機と軍用製品を除いた「コア・資本財受注」は、設備投資の先行指標として注目されます。

この記事を読んで得られる知識

得られる知識
・製造業新規受注の詳細について
・新規受注増加が何を意味するのか
・経済指標関連英単語
・製造業新規受注の19年以降の推移
読み終わるのにかかる時間目安
・約3分


1. 製造業新規受注と同時に公表される指標

米商務省が公表する製造業新規受注では、新規受注以外にも、以下3つの指標が同時に公表されます。

製造業新規受注と共に公表される3つの指標
・出荷
・受注残高
・在庫

出荷」と「在庫」については、言葉通りの意味合いですが、「受注残高」とは、仕入先から注文を受けた商品の内、未納品分の数量や金額のことを指します。

例えば、取引先から1個100円の商品を10個受注し、在庫不足で先に5個のみ納品したとします。この時点では、10個の内5個がまだ未納であるため、10×5で500円分が受注残高となります。

このように、受注残高とは、受注額から納品した分の売上額を引いた金額を指します。


2. 新規受注の増加は、何を意味しているのか??

景気が上向いており、生産活動が活発な時は、企業は在庫を積み増すため、新規受注額の増加に繋がります。そのため、新規受注の増加は、製造業における景況感の向上を示しています。

また、製造業の新規受注の増加は、今後の企業の生産や出荷の増加に結びつくと考えられているため、この指標は、景気の先行指標ともされています。

しかし、新規受注の増加が必ずしも、景況感の拡大を示しているとは限りません。製造業の新規受注は、1件あたりの金額が大きく、祝日や天候など特殊要因によっても変動するため、ノイズが入りやすい指標です。

そのため、新規受注の増加が、特殊要因によるものなのか、製造業における景況感の明るさからくるものなのか見極める必要があり、読み解くのが難しい指標と言われています。


3. 原文資料から学ぶ指標英単語


米商務省センサス局が公表する製造業新規受注の資料は、12ページ程の資料に結果がまとめられています。ここでは、その資料中にでてくる重要英単語の一覧を紹介しています。

これらの英単語は、他の指標関連の記事や英文の経済記事にも頻出するものばかりですので、覚えておいて損は無いと思います。

*参考: The United States Census Bureau


重要英単語
英語 意味
New Orders 新規受注
Shipments 出荷
Unfilled Orders 受注残高
Inventories 在庫
revised 改定された

down three of the
last four months

直近4ヶ月の内、
3ヶ月で下落

up two of the
three months

直近3ヶ月間の内、
2ヶ月で上昇

unchanged  変化がない
increase  増加する
decrease  減少する
two consecutive months  2ヶ月連続で
durable goods 耐久財
Transportation equipment  輸送機器
previously  前月の
virtually  事実上

英語 意味
Petroleum and coal 石油&石炭
electronic products  電子部品
materials and supplies  原材料


英文和訳
Part. 1

New Orders
New orders for manufactured durable goods in April, down three of the last four months, decreased $36.3 billion or 17.7 percent to $168.7 billion, down from the previously published 17.2 percent decrease.

和訳
新規受注
4月の製造業耐久財新規受注は、直近4ヶ月の内3ヶ月で前月比減となり、前回公表時の-17.2%よりも更に低下し、-17.7%減(前回から363億ドル減の1,687億ドル)となりました。


Part. 2

Transportation equipment, also down three of the last four months, led the decrease, $24.3 billion or 48.3 percent to $26.1 billion.

和訳
輸送機器も、直近4ヶ月の内3ヶ月で低下し、243億ドル、すなわち前回より48.3%減の261億ドルとなりました。


Part. 3

New orders for manufactured nondurable goods decreased $21.2 billion or 9.0 percent to $215.6 billion.

和訳
非耐久財新規受注は、212億ドル減、すなわち9.0%低下し、2,156億ドルとなりました。


4. 米国製造業新規受注の推移


以下は、米商務省センサス局(The United States Census Bureau)が公表しているデータを基に作成した米製造業新規受注の推移です。

米国・製造業新規受注 – みんかぶ

直近では、2019年11月に、機械と輸送機器の需要減を背景に前月から大きく下落。米中貿易摩擦の緊張が和らぎつつある中でも、製造業の弱さが依然続いていることを示唆する結果となりました。

しかし、12月には反転。11月に大きく下落していた分反動が大きく、2018年8月以来の伸びとなりました。12月の大幅増は、国防航空機の受注が大幅に増え、全体を押し上げたことが要因です。尚、全体で見ると大幅増になったものの、設備投資は弱く、製造業全体が回復貴重にある訳ではなさそうです。

また、2020年2月は前月から横ばいとなりました。新型コロナウイルス感染拡大によるサプライチェーンの遮断により、今後も軟調な状況が続く見通しです。


5. まとめ

米国・製造業新規受注
公表日 毎月始め
公表機関 米商務省センサス局
指標概要 製造業における新規受注額を
集計し、毎月公表される指標。
航空機と軍用製品を除いた
「コア・資本財受注」は、
設備投資の先行指標として
注目される。
同時に公表 ・出荷
・在庫
・受注残高
受注↑ 製造業における景況感の
向上を意味する

☆ 情報の信頼性

本文中にリンクを貼っている文献以外で、参考にさせていただいた記事のリンクを以下に挿入しております。参考元が気になる方は、ぜひご確認ください。

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