米国・非農業部門労働生産性とは?ほとんど解説されることのないマイナー指標を敢えて詳しく解説!!

米国・非農業部門労働生産性とは、非農業部門に属する全ての労働者(サラリーマン、自営業者、専業主婦などの家族従事者)の総生産高と総労働時間を基に生産性を算出し、公表される経済指標です。

米国労働省が、雇用統計(CES)のデータを基に算出し、四半期ごとに公表します。

また、米国労働省は、非農業部門労働生産性に加え、前期と比較した労働時間、労働コストや生産高の増減率も併せて公表しております。そのため、どの要素が非農業部門労働生産性の結果に寄与したのかを確認することができます。

1. 非農業部門労働生産性は如何にして算出されるのか?

非農業部門労働生産性の算出式は極めて単純で、下記の算出式に従って、1時間あたりの生産高(=労働生産性)を求めています。そして、その結果が前期と比較してどれほど増減したのかを、米国労働省が百分率で公表している訳です。


非農業部門労働生産性の求め方

非農業部門の総生産 ÷ 非農業部門の総労働時間


これで、労働生産性の算出方法についてはお分かりいただけたと思いますが、そもそも算出式に含まれる「総生産高」はどのように算出しているのでしょうか?

端的に述べますと、国内総生産(GDP)から非農業部門以外の生産高を除いて算出しております。実際、米労働省統計局によると、農業部門の生産高、NPO法人の生産高、政府支出、家賃を除いたものが「非農業部門の総生産高」とされています。

また、同じく労働省統計局によると、総労働時間も同様に、上記項目が除外されているとのことです。


2. 専業主婦などの従業時間はどのようにして集計しているのか?

上述した通り、サラリーマンや自営業者などの労働者であれば、雇用統計(CES)の情報を基に労働生産性を算出しております。

しかし、非農業部門労働生産性には、雇用統計(CES)に含まれる労働者だけではなく、専業主婦や身内の介護に従事している家事従事者(unpaid family workers)の労働時間も、算出式の右側である「総労働時間」に含まれます。

このように、雇用統計(CES)の調査対象外であるのにも関わらず、非農業部門労働生産性の計算に組み込まれる部分に関しては、どこのデータを使用して算出しているのでしょうか?

答えは、人口動態調査(CPS)や、全米報酬調査(NCS)のデータを使用して生産性や従業時間を算出しております。

実際、家事従事者が家事や介護に従事した時間を集計する際には、人口動態調査(CPS)で調査された結果が使用されます。


3. 労働生産性の上昇は何を示しているの?

労働生産性を一言で表現すると、「1時間あたりの生産額」です。すなわち、労働生産性が上昇するということは、労働者1人あたりが生み出す利益が上昇するということですので、賃金の上昇圧力につながります。

また、賃金が上昇すれば、消費の拡大にも繋がるため、労働生産性の上昇は、将来の賃金の上昇、引いては消費の拡大を意味しています。

 尚、労働生産性の上昇は、投資、設備投資などによる生産水準の向上、組織のスキルの向上、社員の頑張りなど、様々な要因が相まって上昇するため、読み解くのに難易度が高い指標だと言えそうです。


4. 米国・非農業部門労働生産性の推移

以下の図は、2014年第2四半期以降の米国・非農業部門労働生産性(前期比)の推移を示すグラフです。

アメリカ・非農業部門労働生産性指数 – みんかぶ

2019年以降の動きを見ていくと、2019年第1四半期には前期比+3.4%を記録し、2014年以降で最大の上昇率(前期比)を記録しました。

そして、2019年第2&第3四半期と続落し、特に第3四半期は市場予想が前期比+0.9%だったのにも関わらず、結果は-0.2%となり、市場予想を大きく下回る結果となりました。

その後、2019年第4四半期には市場予想の+1.3%を0.1ポイント下回るも、前期比+1.2%を記録。続く、2020年第1四半期では、市場予想の-2.7%ほど悪い結果にはならず、-0.9%で落ち着きました。


5. まとめ

米国非農業部門労働生産性
公表機関 米労働省統計局
公表タイミング 四半期ごと
指標概要 雇用統計(CES)や、
人口動態調査(CPS)
などのデータを基に、
時間当たりの生産高を
示す指標。
計算式 非農業部門の総生産 /
非農業部門の総労働時間
指標のデータ元 CES、CPU、NCS
その他 労働生産性の向上は、
賃金の上昇圧力につながり、
最終的には、消費の拡大にも
つながり得る。

・情報の信頼性

本記事を作成するにあたって、指標の説明部分(項番1〜3)に関しては、米国労働省が公表している文献①&②を参考に作成しております。

また、項番4の非農業部門労働生産性の過去データに関しては、グラフの下に記載がある通りみんかぶを参考にしており、過去動向の説明部分に関しては、下記文献③を参考にさせていただきました。


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