オーストラリア経済の体温計。豪・消費者物価指数(CPI)について知ろう!!

豪・消費者物価指数(CPI)とは、オーストラリア連邦統計局(ABS)が、財やサービスの価格変動を調査し、四半期ごとに公表する指標。豪準備銀行(RBA)が政策金利の誘導目標を決定する上で、参考にする指標であるため、市場からの注目度も比較的高めです。

また、オーストラリアの消費者物価指数は、刈込平均加重平均といった方法で算出されたCPIも公表されます。豪準備銀行は、「刈込平均」と「加重平均」の平均値を基調インフレ率としており、金融政策を決定する際に参考にしています。

ハリネズミ
「刈込平均」や「加重平均」については、後ほど詳しく説明します!

指標豆知識
オーストラリア連邦統計局(ABS)によると、毎四半期毎に、約100,000程の価格を集計し、CPIを算出しているそうです。

刈込平均&荷重平均とは?

赤ちゃん
豪・消費者物価指数(CPI)関連のニュースでは、「刈込平均」という言葉をよく見かけるね。
ハリネズミ
そうだね。ちなみに、「刈込平均」は、豪・中央銀行が金融政策を決定する上でも、重要視される指標だよ!


  • 刈込平均

トリム平均」とも言われます。
ある一定以上の割合よりも変動幅の大きい品目を除いた平均値のことを指します。
CPIの結果に大きな影響を及ぼす品目を計算から外し、ノイズを除くことを目的としています。

刈込平均は、豪特有の消費者物価指数の求め方、という訳ではありませんが、豪中央銀行によって提案・発展された計算方法であるため、豪のCPI発表時には注目されます。下記で説明している「加重平均」よりも注目度は高めです。


  • 加重平均

各品目のウエイトを考慮したうえで、品目ごとの構成比を調整し、平均値を算出する方法。刈込平均よりは重要視されませんが、豪準備銀行は、「刈込平均」と「加重平均」の平均値を「基調インフレ率」としており、金融政策の方針決定の参考にされますので、依然重要度は、高めです。


豪・消費者物価指数(CPI)の特性

ハリネズミ
オーストラリアCPIの特徴まとめは、以下の通り!


Point
・刈込平均と加重平均が重要視される
・信頼性の高い指標
・CPIは「経済の体温計」


刈込平均と加重平均が重要視されるということは、何度も述べてきましたが、その他の特性としては、信頼性の高さが挙げられます。

CPIの調査対象となる価格は、8大都市の総人口の約65%の家計を参考に算出しています。また、オーストラリア国内における総人口の3分の1以上の家計が調査対象となっているため、規模が大きく信頼度の高い指標だと言えます。

また、物価は経済の体温計と言われており、高すぎても低すぎても良くないため、基本的に、各国の中央銀行は、物価目標を掲げています。そのため、消費者物価指数は、金融政策と密接に関わってくる指標でもあるため、市場からの注目度も高い指標です。


歴史についてざっくりと

✔︎ 1971年
豪の財務省が特定の品目を除いてCPIを算出する除外ベースの手法を考案。その手法には、価格変動が激しいフルーツ、野菜、肉、海鮮、自動車燃料を除いたデータが使用された。それ以降、豪準備銀行は、除外ベースのCPI計測手法に大きな役割を果たしてきました。

赤ちゃん
刈込平均の概念はここで生まれたんだね。


✔︎ 1993年
この年以降、豪準備銀行(RBA)は、インフレターゲットを2〜3%としてきました。これは、現在(2020年5月)に至るまで変わっておりません。


✔︎ 2010年
豪CPIの大幅な見直しが実施され、それによって、季節調整値のデータや刈込平均と荷重平均のデータが、より洗練されたものになりました。


2016年以降の動向(四半期ベース)

ハリネズミ
以下の図は、オーストラリア連邦統計局が公表するデータを基に著者が作成した、四半期毎のCPIの推移だよ。

参考: オーストラリア連邦統計局


豪・準備銀行は、消費者物価指数の目標を年率2.0%〜3.0%としています。しかし、2019年第4四半期では、CPI上昇率が前年比で1.7%、トリム平均の上昇率は前年比で1.6%と、いずれも目標レンジである2.0%〜3.0%を下回り、4年連続で目標レンジを下回る結果となりました。

最近では、新型コロナウイルスによる豪経済への悪影響が懸念され、豪ドル安が進み、それがCPI押し上げ原因になるのではないかと考えられています。実際、豪ドルは、1豪ドル70円付近で推移しており、5ヶ月ぶりの低水準で推移しております。

続く森林火災、食料の供給減少や新型コロナウイルスの脅威などにより、今後もCPIは押し上げられると考えられています。しかし、悪材料による物価の押し上げは、消費者心理を冷え込ませ、消費量の減少につながる可能性もあります。そのため、豪政府は、大規模な減税や利下げを行うことによって、消費を喚起させ、需要の増加によるCPIの目標レンジの達成を図っています。今後、それらの施策がCPIにどのような影響を与えていくのか注目されるところです。


☆ まとめ

ハリネズミ
豪・消費者物価指数のまとめは、以下の通り。

豪・消費者物価指数
指標概要 オーストラリア連邦統計局が、
物価変動率を調査し、公表する指標。
物価の変動率をある一定のレンジ内に
収めることが金融政策の目的である
ため、注目度は非常に高い指標となっている
公表日 毎月下旬
調査機関 オーストラリア連邦統計局(ABS)
特徴① 刈込平均や加重平均が重要視される
特徴② 信頼性が高い
特徴③ 経済の体温計としての役割がある
近年の動向 目標レンジ内に物価変動率が収まっていない

☆ 情報の信頼性

本記事を作成するにあたって、下記文献を参考にしました。消費者物価指数の説明部分に関しては、主にオーストラリア政府が実際に公表する資料を基に作成しております。

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