財新が公表する製造業PMIとは、約400社以上の購買担当者に景況感に関するアンケートを実施し、指数化した指標です。50が景況感の拡大・縮小の分岐点となっています。

調査方法としては、以下5つの項目について前回(1ヶ月前)と比較し、「改善した」「変化なし」「悪化した」の三者択一で回答してもらう形式です。そして、その結果に以下の()内のウエイトを掛けて指数化しています。
②生産(25%)
③雇用(20%)
④入荷遅延(15%)
⑤在庫(10%)
また、財新製造業PMIは元々、HSBC製造業PMIという名称で知られていましたが、2015年以降、名称と発表主体が変わり、現在の「財新・製造業PMI」となりました。
財新・製造業PMIでは、調査結果が翌月の月初めに公表されますが、HSBC製造業PMIは、月末から6営業日前に速報として結果が公表されていたため、速報性の観点では、HSBC製造業PMIの方が勝っていました。
・PMI by IHS Markit – IHS Markit
・Purchasing Managers’ Index™ (PMI™) data – Frequently Asked Questions – IHS Markit
財新とは?どんな団体??
「財新製造業PMI」の「財新」とは、この指標の発表主体である企業のことを指しています。そして、財新メディア(Caixin Media)、通称「財新」は、金融やビジネス関連のニュースをメインに報道する中国の大手メディアです。
中国では、数少ない民間の調査報道メディアとなっております。
財新の調査報道は評価が高く、最近では、新型コロナウイルスについての情報をまとめた「財新リポート」が世界中から注目されています。
中国で公表されるもう1つのPMI
中国では、民間で公表される財新・製造業PMIに加えて、中国政府によって公表される国家統計局PMIがあります。
国が公表している「国家統計局PMI」は、名称の通り、国家統計局によって算出され公表されるPMI指数です。最近は、国家統計局PMIの方が、民間で公表されるPMIより、結果が低く出る傾向にあります。
国家統計局PMIと財新PMIの公表される順番としては、国家統計局PMIが月末に公表され、それに続く形で民間のPMIが公表されます。
・近年は、国家PMIが民間より低く出る傾向
財新・製造業PMIの動向

・2019年12月に前月比減に転ずる
・2020年2月は、統計開始以来の最低水準
期間 | 予想 | 結果 |
2020年02月 | 46.0 | 40.3 |
2020年01月 | 51.0 | 51.1 |
2019年12月 | 51.6 | 51.5 |
2019年11月 | 51.5 | 51.8 |
2019年10月 | 51.0 | 51.7 |
2019年09月 | 50.2 | 51.4 |
2019年08月 | 49.8 | 50.4 |
2019年07月 | 49.5 | 49.9 |
2019年06月 | 50.1 | 49.4 |
2019年05月 | 50.0 | 50.2 |
参考元: 中国・財新製造業PMI – みんかぶ
ご覧の通り、2019年6月から5ヶ月連続で、前月比増を記録してきましたが、2019年12月に反転していることが見て取れます。
12月の前月比減には、新規受注の伸びの鈍化が背景にあります。しかし、新規受注の伸びが鈍化した反面、販売価格は上昇する結果となりました。
2020年1月は、新型コロナウイルスの感染拡大前ということもあり、前月比減となるも、景況感の拡大・縮小の分岐点である50以上をキープしました。
2020年2月は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、40.3となり、2004年の統計開始以来の低水準となりました。尚、2月の結果は、世界金融危機が発生した2008年11月の40.9をさらに下回る水準です。
☆まとめ
財新・製造業PMI | |
概要 | 約500社程の製造業の購買 担当者に、景況感に関する アンケートを実施し、 指数化した指標。50が景況感 拡大・縮小の境目。 |
調査機関 | 財新(中国の大手メディア会社) |
公表日 | 毎月初め |
調査項目 | ①新規受注(30%) ②生産(25%) ③雇用(20%) ④入荷遅延(15%) ⑤在庫(10%) |
前身 | HSBC製造業PMI |
類似指標 | 国家統計局PMI |