香港の労働市場には、クセがある。香港雇用統計について分かりやすく解説!!

「香港雇用統計」と言われても、香港の失業率の推移や労働市場の特徴について説明できる人は、そうそういないのではないでしょうか??

そもそも、香港雇用統計を毎月追っている人もなかなかいないと思います… いるとしたら、一部の専業トレーダーぐらいですかね(笑)

そんな、比較的マイナー?で、大きく変動しない限りあまり注目されることのない香港の雇用統計ですが、香港の労働市場の特徴と絡めて見ると、面白かったりします。

ですので、今回は、香港雇用統計の説明に加え、労働市場の特徴についても紹介していきます。

香港・雇用統計とは?

香港雇用統計とは、香港の雇用状況に関する統計で、労働力人口、雇用者数、失業率、業界毎の労働者数などが毎月発表されます。

雇用統計の中でも、特に「失業率」に対する注目度は高く、予想値と発表値の差が大きければ大きい程、為替相場や株式市場に与える影響も大きくなります。

赤ちゃん
失業率ってどうやって計算するの??
ハリネズミ
失業率の計算式は、以下の通りだよ。 (完全失業者÷労働力人口)×100
計算式の補足説明
完全失業者とは、以下の3つの条件にあてはまる者のことを指します。
調査期間中に仕事をしていない
就労意欲があり、仕事があればすぐ就ける
調査期間中に就職活動や準備をしていた

労働力人口とは?
15歳以上の就業者数と完全失業者数の合計


雇用統計の特徴

雇用統計は、景気に遅れて反応する遅行指数です。

ハリネズミ
雇用統計が遅行指数(景気に遅れて反応する指標のこと)とされている理由は、以下の通りだよ。


景気が上向き、売上げが増加すると、基本的に仕事量も増加します。企業はその増えた分の仕事を、まずは、社員に残業をしてもらうことによって処理し、それでも仕事を処理しきれない場合、新しく人を雇うことによって対処します。

従って、景気回復局面と同時に雇用者数が増加するのではなく、遅れて増加することになります。逆も然りで、景気悪化局面でも、すぐに社員のリストラを決行するような企業は、そうそうありません。こうした理由から、雇用統計は遅行指数に分類されています。


香港を取り巻く労働市場の特徴

香港・雇用統計を読み解くためにも、香港の労働市場についての理解は欠かせません。ですので、本項では、香港の労働市場や労働事情について触れていきたいと思います。

以下の表は、香港における2018年時点での就業者分布です。香港政府が公表しているデータを基に作成しています。

業界 or セクター 就業者割合(%)
製造業 2.2
建設業 8.8
貿易関連業務 29.4
輸送関連(宅配業含む) 11.2
金融業 20.6
行政/社会福祉 27.3
その他 0.5
合計: 100

こうして見ると、最も就業者数が多いセクターは、「貿易関連業務」であることが分かります。

この就業者分布が示している通り、香港経済を下支えしているのは、主に「貿易」なのです。実際、香港のGDPに占める「輸出」の割合は、他国と比較しても、飛び抜けています。

では、どうして香港は貿易国として発展することができたのでしようか?


その答えは、香港の歴史にあります。

香港が歴史の表舞台にでてくるのは、清とイギリスが戦った「アヘン戦争(1840〜1842)」の時です。清は、このアヘン戦争とイギリス・フランス連合軍と戦った「アロー戦争(第2次アヘン戦争)(1856〜1860)」でイギリスに敗北します。その結果、香港はイギリスの植民地となりました。

イギリスに統治されて以降、香港は、極東への中継貿易地点として発展。現在も貿易の中継地点としての役割を担っています。

このように、香港は昔から貿易の拠点として栄え、それが現在にも残っています。貿易の中継拠点であるため、世界経済の影響を受けやすく、貿易従事者の多い香港では、労働市場も世界経済の影響を受けやすいと言えます。

特に、中国への貿易依存が強く、外務省の「香港基礎データ」によると、輸入に占める中国の割合は47.8%、輸出が54.1%となっています。そのため、中国経済の悪化は、香港の労働市場、引いては香港経済に大きな影響を及ぼします。


香港・失業率の推移

ハリネズミ
以下のグラフは、香港・雇用統計で発表された失業率の推移です。香港政府が発表している数値を基に著者が作成しました。


1981年〜2020年の失業率平均は3.65%、同期間における最高水準は、2003年6月に記録した8.5%となっております。また、最低水準は、1989年7月に記録した1%です。

*参考: TRADING ECONOMICS 


2019年以降では、 10月に3.0%台に達し、12月には3.3%と、2017年3月以来の高水準となりました。

2019年10月以降も、11月、12月と失業率は伸び続けています。

2019年12月では、全体の失業率は、3.3%となっておりますが、ツーリズム業界では、5.2%と特に高くなっています。


☆まとめ

ハリネズミ
以下に、香港雇用統計についてまとめておいたから、再確認がてらチェックしてね!
香港・雇用統計
調査機関 政府統計局
公表日 毎月初旬
指標概要 香港の雇用状況に関する統計で、
労働力人口、雇用者数、失業率、
業界毎の労働者数などが公表される。
雇用統計の中でも、特に「失業率」が
注目される傾向にある。
指標の特徴 景気に遅れて反応する遅行指数

☆情報の信頼性

本記事では、情報の信頼性を高めるため、香港政府が公表している労働市場に関するレポートや、信頼性の高いサイトの情報を基に作成しております。

Hong Kong : The Facts Employment – GovHK

② 香港基礎データ – 外務省

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。