米国雇用統計の前夜祭!?ADP雇用統計とは?

ADP雇用統計とは、米国の大手給与計算代行業者であるADPが、全米約50万社約2400万人の給与データをもとに毎月の雇用者数の増減を算出し、公表する経済指標です。

2006年5月から発表され始めた比較的新しい指標ですが、法務省が公表する「米雇用統計の非農業部門雇用者数」の2日前に公表されるため、非農業部門雇用者数の先行指標とされています。

また、日本語では、「ADP雇用者数」、「ADP民間雇用者数」、「ADP全米雇用報告」や「ADP全国雇用者数」などと様々な呼ばれ方があるのが特徴的です。

英語では、実際にADP社が公表しているレポートを参考にすると、「ADP Employment Reports」と表記されています。

この記事を読んで得られる知識&所要時間

得られる知識

・ADP雇用者数について
・ADP社について
・米雇用統計と比較した推移
・指標関連英単語 

読み終わるのにかかる時間目安
・約3分30秒


1. ADPってどんな企業?

ADPとは、約57万社にサービスを提供する、世界最大の給与計算アウトソーシング会社です。

グローバルに事業を展開しており、世界40ヶ国以上でビジネスを行っています。

また、ADP社は、2001年から全米の雇用者数を調査し始め、2006年5月に「ADP雇用統計」の公表を開始しました。

給与計算のアウトソーシング会社であるため、契約企業の給与状況や雇用状況を把握することができます。そのため、「ADP雇用統計」はADP社が保有している莫大な雇用者データに基づいて算出されます。


2. ADP雇用統計と米雇用統計の関連性

ADP雇用統計は、一般的に「お祭り」と言われる米雇用統計の2日前に公表されるため、その先行指標とされています。

従って、ADP雇用統計の結果と労働省の雇用統計の結果を比較されることが多く、両者の結果に大きな乖離があれば、市場からサプライズとして受け取られ、株式市場や為替市場といったマーケットが大きく動くこともあります。

また、ADP雇用統計も、米労働省が公表する労働統計の前哨戦として注目されますが、労働省の雇用統計ほど注目はされません。


3. ADP雇用統計から学ぶ指標英単語

ここでは、「ADP雇用統計」の資料中にでてくる英単語を解説していきます。

実際にリンク先に飛んでみると、お分かりになるかと思いますが、ADPが公表する資料の特徴は、その圧倒的見やすさにあります。

他の数ある経済指標と比較しても、文字数が圧倒的に少ないため、ここで紹介する英単語さえ分かれば、理解できるようになっています。

参考: ADP National Employment Report


① National Employment Report

項目 意訳
Small 従業員50人未満の小企業
Midsized 従業員50人以上、500人未満の中企業
Large 従業員500人以上の大企業
Change by sector & industry  業種&セクター別、雇用者数の変化
◻️Goods-Production Sector 製造部門
-Natural Resources & Mining  天然資源&鉱業
-Construction  建設業
-Manufacturing  製造業
◻️Service-Providing Sector サービス業
-Information  情報業
-Trade,Transportation&Utility 貿易、輸送、公共部門
-Financial Activities 金融業
-Professional & Business 専門職、ビジネス職
-Education & Health  教育と健康関連産業
-Leisure & Hospitality  娯楽、ホスピタリティ産業
-Other Services その他のサービス業


② National Franchise Report

項目 和訳
Restaurants  レストラン
Auto Parts& Dealers  自動車部品&ディーラー
Food Retailers  食料品店
Business Services  サービス
Accomodations 宿泊施設
Real Estate 不動産


4. ADP雇用統計と米雇用統計 比較

以下のグラフは、2019年3月以降のADP雇用統計米雇用統計の推移を比較したグラフです

参考元: アメリカ・ADP雇用者数 – みんかぶ

こうして比較すると、ADP雇用統計の結果は、米雇用統計の推移と概ね近い値で推移していることが、見て取れます。

しかし、2020年3月のように、前月から大幅に増減すると、両者の結果に乖離が生じてしまいます。また、結果の方向性(前月の結果より良かったのか、悪かったのか)が異なることもあるため、その月のADP雇用統計が前月より良好な結果を示したとしても、必ずしも米雇用統計が同様の結果になるとは、限りません。

実際、上のグラフを見ても、直近12ヶ月中約半分で、両者の結果の方向性が異なっていることが分かります。

それにしても、2006年の発表開始当初と比較すると、乖離幅は小さくなりつつあると言われており、米雇用統計の先行指標としての役目は果たせていると言えそうです。


5. まとめ

ADP雇用統計
公表日 毎月始め
公表機関 ADP社
指標概要 全米約50万社、約2400万人
の給与データを基に、雇用者
数の増減を推定する指標
特性 米雇用統計の先行指標
ADP社とは? 世界中で事業を展開する
グローバル企業。約57万
社の給与データを有して
いる世界最大の給与計算
アウトソーシング会社
米雇用統計との比較 指標開始当初と比べると、
乖離幅は縮小。しかし、
依然両者の結果が大きく
異なることもある

☆ 情報の信頼性

本記事の作成にあたって、参考にさせていただいた文献のリンクを、以下に挿入しております。本文中に既に挿入したリンクについては、以下文献に含めておりませんので、ご了承ください。

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