CMHCカナダ住宅建設着工数とは、カナダ抵当住宅公社(CHMC)が、建設が開始された住宅件数を集計し、毎月第6営業日に公表する指標です。
本指標は70年以上もの歴史があり、地域ごとや、住宅のタイプごとの着工件数も公表されます。
また、直近6ヶ月の件数を平均した6ヶ月移動平均を「national trnd」としており、カナダ国内における住宅市場のトレンドを掴む上で参考にされます。
1.何をもって住宅建設が着工されたとしているのか?
「カナダ住宅着工件数」とは、その指標名にある通り、カナダ国内における建設が着工された住宅件数をカウントしている指標ですが、そもそもどの段階をもって住宅建設が「着工」されたとしているのでしょうか?
カナダ抵当住宅公社(CHMC)のホームページによると、建設予定の住宅の工事に取り掛かった段階、すなわちコンクリートが床面に投入された段階(もしくはそれと同等の段階)をもって、住宅が着工されたと見なされています。
従って、住宅建設のために工事が開始されたタイミングで、住宅建設が着工されたとしています。
2. 住宅市場のトレンドを示す6ヶ月移動平均線
カナダ抵当住宅公社(CHMC)は、毎月の住宅着工件数だけでなく、直近6ヶ月の平均(6ヶ月間の単純移動平均)も算出して公表しています。
冒頭でもふれた通り、直近6ヶ月間の平均は、国の住宅市場のトレンドとしての色合いが強く、6ヶ月間の移動平均が先月より高い=住宅市場の需要が高まっているととらえられる傾向にあります。
また、単純移動平均には、季節調整が施されており、国全体だけではなく、主要な州ごとの結果も算出されます。
3. SAARとは!?
カナダ抵当住宅公社(CHMC)がホームページで公表している指標結果をみると「SAAR」という表記を目にするかと思います。
この「SAAR」というのは、「Seasonally Adjusted Annual Rate」の略で、「季節調整済み値で比較した1年間の増減率」 という意味です。
SAARで比較することによって、季節ごとの特性を極力取り除くことができ、上で説明した6ヶ月移動平均も、「SAAR」で計算されます。
4. 住宅着工件数の推移
以下のグラフは、2018年7月〜2020年7月までの2年間におけるカナダ住宅着工件数の推移です。

2020年以降の推移を見てみると、1月に都市部での住宅着工件数が9.8%増加したことが追い風となり、全体の結果も21.32万件と、前月比+8.8%増加。
その後、2・3・4月と3ヶ月連続で低下し、特に4月は、2019年2月以来の最低水準を記録しました。
5月以降では、着工件数が急増。住宅ローン金利が低水準にあることや、CERB(感染症の影響で収入が大きく落ち込んだ国民を対象とする支援プログラム)などの政府支援策が住宅需要の押し上げにつながったのではないかと考えられています。
5. まとめ
CHMC住宅着工件数 | |
開催日 | 毎月第6営業日 |
公表機関 | CHMC |
概要 | カナダ国内における 住宅着工件数を集計し 公表する指標。国全体 の結果だけでなく、住宅の 種類や地域ごとに集計した 結果も公表される。 |
「着工」の定義 | 建設が開始された段階 |
SAAR | 季節調整済みの結果 |
・April’s Canada Housing Starts varied according to region – CHMC
・Annual pace of new housing construction rose in June, CMHC says – CHMC
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