ニュースや新聞、学校など、様々なところでなにかと耳にする機会が多いGDPですが、「GDPって何?」と聞かれて、即答できない人は意外と多いのではないでしょうか?
それなのにも関わらず、どこかと知ってて当たり前!みたいな風潮がありますよね💦
今回は、知ってるようで意外と知らないGDPについて徹底解説していきます!!

目次
結局、GDP(国内総生産)って何なの?


GDPとは、一言で表すと、「その国で生み出された付加価値の合計」のことを指します。ここで言う、「付加価値の合計」というのは、私達が普段消費しているものやコト(民間消費)、企業の投資、政府の支出や貿易収支を合算した合計金額のことです。
計算式にすると以下のようになります。
また、GDPには、名目GDPと実質GDPの2種類あり、それぞれの定義は以下の通りです。
〇 名目GDP一言で言うと「何も加工されていないGDP」のことです。単純に、GDPの計算式に含まれているそれぞれの要素を単純に足し合わせて計算されたGDPのことを指します。
〇 実質GDP名目GDPから物価変動による変化を差し引いたGDPのことです。価格変動による影響を取り除いているため、数量ベースで経済の動向を見ることができます。


なぜ、実質GDPの方が重要視されるのか?
それは、名目GDPの結果に影響を与える物価の上昇が、必ずしも経済規模の拡大を示している訳ではないからです。上述した通り、名目GDPは、消費支出、投資額、政府支出、貿易収支の合計額のことを指します。そのため、物価が前年より2倍になれば、名目GDPの前年比も2倍になります。
しかし、この場合、物価の上昇によりGDPが2倍になっただけで、経済の規模はまったく変わっていません。
このように、名目GDPでは、「物価変動」の影響を受けるため、経済規模が本当に拡大しているのかどうかが、見えにくくなります。そのため、物価変動の影響を除いた実質GDPが重要視される傾向にあるのです。

GDPの特性
GDPは、景気の現状を表す一致指数です。また、調査対象から直接データを取得し集計した「1次統計」とは異なり、GDPは1次統計のデータを集めて加工した「2次統計」です。そのため、発表が遅くなり速報性はほとんどないですが、信頼性は高い指標となっています。


GDPの読み解き方


① GDPの各要素の構成比を知る
例えば、GDPの構成要素の内、消費が60%を占める日本や70%を占めるアメリカは、消費額が少し変化しただけで、GDPに大きな影響を与えます。
また、輸出がGDPの40%を占める韓国では、GDPにおける輸出の寄与度は高いといえます。
このように、その国々によってGDPの構成比は異なるため、「GDPのどこに注目するべきか」は、国によって異なります。
従って、GDPを分析する上で、GDPを構成する各要素の構成比や寄与度を知ることが大切なのです。
② その国の潜在成長率を知る。
例えば、中国が発表した2019年第4四半期のGDP成長率は、前年同期比で6.0%です。0.5%弱で推移している日本と比較すると物凄く高い成長率を記録しているように見えます。
しかし、このように他国の数値と比較することは、まったくの無意味です。それぞれの国には、持続可能な成長率=潜在成長率が存在し、潜在成長率は、人口や労働参加率、設備投資などの資本投入量や技術によって算出されます。尚、中国の現在の潜在成長率は、6%〜7%と程と言われているため、中国が発表した2019年第4四半期の成長率(6.0%)は、高くも低くもないのです。
従って、潜在成長率という物差しをベースにGDPの成長率を見ることによって、そのGDPの成長率が高すぎるのか、低すぎるのか、それとも妥当なのかを判断することができます。

意外!? 実質GDPの成長率ランキング
ご存知の方も多いと思いますが、実質GDPの国別ランキングは、1位:アメリカ、2位:中国、3位:日本となっています。
では、実質GDPの成長率ランキングはご存知でしょうか?知っている方は、相当な経済通だと思います。早速ですが、以下の表で、「実質GDPの国別成長率ランキング」を紹介していこうと思います。
[実質GDP成長率〜国別ランキング 2019年度]
国名 | 成長率 |
1位: 🇸🇸南スーダン | 11.28% |
2位: 🇷🇼ルワンダ | 10.06% |
3位: 🇱🇾リビア | 9.89% |
4位: 🇩🇴 ドミニカ | 9.21% |
5位: 🇪🇹 エチオピア | 8.97% |
出典 : MF統計、実質GDP前年比伸び率参考



まとめ

- GDPとは、その国の付加価値の合計
- GDP=消費+投資+政府支出+(輸出-輸入)
- GDPは、景気動向の一致指数
- 速報性はないが信頼性の高い指標
- GDPを読み解く際は、構成比、寄与度と潜在成長率を意識するべし!
参考サイト
・GDPとGNIの違いについて-内閣府
・【意外と知らない】GDP(国内総生産)について徹底解説!日本はこれからも経済大国の地位を守れるのか?-データの時間
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