経済の先行きを占う経済指標!住宅着工件数について徹底解説!!

1.住宅着工件数とは?

住宅着工件数とは、その名前の通り、着工(工事に取りかかること)された住宅の件数を集計し、月次で公表される指標です。


住宅の着工件数が増加するということは、住宅需要が増加しているということを示しており、住宅建設完了後は、家具や家電といった消費財の購入にもつながるため、住宅着工件数の増加は他産業への波及効果が期待できます。


従って、住宅着工件数の増加は景況感が好転することを示唆しているため、経済の先行きを示す先行指標とされています。


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住宅の着工から完成までに一般的には3~4か月以上かかるため、住宅着工件数は数カ月後の景況感を示す指標とされているよ。

このように、住宅着工件数は数か月後の景況感を占う上で重要な役割を果たす指標ですが、季節や天候、金利状況などといった外部環境によって着工件数が大きく左右されるといった特徴があります。


そのため、住宅着工件数の動向をチェックする際は、直近3カ月の移動平均を用いたり、前年同月のデータと比較するのが一般的です。


まとめると、住宅着工件数は以下のような指標です。

住宅着工件数ってどんな指標?
工事が開始(=着工)された段階の住宅件数をカウントし、月次で公表される経済指標

・着工件数が増加すると、家具や家電など他の産業への波及効果が期待できる
・外部環境の影響を受けやすく、月ごとの変動が激しい指標
⇒3カ月程度の移動平均や前年同月のデータと比較されるのが一般的


2.他の住宅関連指標とは何が違うのか?

「住宅着工件数」以外にも「住宅建設許可件数」や「中古住宅販売成約指数」、「住宅販売件数」といったように住宅関連の経済指標はたくさん存在しますが、それぞれどんな特徴があり、何が違うのでしょうか?


以下では、それぞれの指標についての概要を紹介し、それぞれの違いについて見ていきます。


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各指標について詳しく知りたい場合は、指標名にリンクを貼り付けているので、リンク先の記事をチェックしてみてください。

住宅の建設に際して許可が必要な地域での建設許可件数を集計し、月次で公表される指標。建設着工前の許可段階での件数を集計した指標であるため、住宅着工件数の先行指標とされています。


住宅販売成約指数とは、売買契約は完了しているが引き渡しが完了していない中古一戸建て住宅、分譲アパートやマンションなどの物件数を月次で公表する指標。中古住宅販売件数に1~2カ月ほど先行する指標とされています。


中古住宅販売件数とは、その名の通り中古住宅の販売件数を集計し、月次で公表される指標。国民の80%以上が中古住宅に住んでいる米国では特に注目されます。


以下はそれぞれの指標を比較した表です。先行性が高い指標から順に並べています。

指標名 発表タイミング 指標の特徴
①住宅建設許可件数 毎月中旬 4つの中で最も先行性が高い。許可を得ても実際に着工されるとは限らずブレが大きい。
②住宅着工件数 毎月中旬 着工時点で集計しているため、先行性は比較的高め。3~4カ月程度の先行きを示す。
③中古住宅販売成約指数 毎月末 住宅引渡し前かつ成約後の件数を集計。1~2カ月程度の先行きを占う。
④中古住宅販売件数 毎月中旬 中古住宅引き渡し後の件数を集計。米国では、80%以上の人が中古住宅に住んでいるとされているため、注目度が高い。

このように、住宅関連の経済指標は、住宅建設の許可~竣工(しゅんこう)までのどの段階の件数を集計するかによって異なり、早い段階で集計される指標ほど先行性は高いですが、実際の建築件数からぶれやすいといった特徴があるため注意が必要です。


3.日本&米国の住宅着工件数について

一概に住宅着工件数と言っても、着工段階の住宅件数をカウントする点では同じですが、日本と米国ではその重要度が異なってきます。


そこで、ここでは、日本&米国の住宅着工件数について紹介していきます。


日本の住宅着工件数
国土交通省の建築着工統計調査から住宅の着工件数のみを取り出して毎月公表されます。

建築を開始する際には、建築主は都道府県への届け出が必要であり、その届け出の件数から算出されます。

日本は人口が減少し続けている上、GDPに占める住宅投資の割合が僅か3%程度(2018年度)であるため、米国ほど注目される指標ではありません。


米国の住宅着工件数
米国の住宅着工件数は、商務省経済分析局によって毎月第3週に公表されます。

住宅投資が米国に占めるGDPも僅か3%~5%程度ですが、米国には日本の約3倍ほどの人口がいる上、人口が増加し続けている国であるため、住宅投資が及ぼす他産業への波及効果も大きいものとなります。

そのため、他の国と比べて米国の住宅着工件数への注目度は高く、景気の先行指標として重要視されています。


米国では、住宅着工件数が公表されると、経済ニュースとしてTVで報じられることも多々ありますが、日本では、住宅着工件数がTVで報道されることはほとんどないかと思います。


そこからもわかる通り、日本と米国では、住宅着工件数の増加が与える経済的影響が大きく異なっており、日本の住宅着工件数よりも、米国の住宅着工件数の方が注目されるのです。


4.まとめ


①着工(建設工事に取り組み始めること)された住宅の件数を集計し、
 公表する指標
 
②住宅着工件数が増加すると、他産業への波及効果が期待できる

③3~4か月後の経済の先行きを占う先行指標

④季節要因などの影響を受けやすく月ごとの変動が激しい指標

⑤日本の住宅着工件数よりも米国の住宅着工件数の方が注目度は高い


住宅着工件数は、着工段階の住宅件数を集計し、月次で公表される指標です。


経済の先行きを占う上で重要度の高い指標ですが、月ごとの変動が激しいため、移動平均を採用して件数を比較したり、前年同月の件数と比較するなど、分析をする際には工夫が必要な指標であると言えます。


住宅着工件数に大きな変化が表れた際は、国民の余剰資金の増減や雇用状況、住宅ローン金利の推移などといった外部環境になんらかの変化がなかったかチェックすることによって、より込み入った分析が可能になることでしょう。

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